2007年3月25日

諸星大二郎 私家版魚類図譜

愛する諸星大二郎の新作、『私家版魚類図譜』が発売された。もちろん発売日に買った。

この本は以前発売された『私家版鳥類図譜』と対になっている。と言っても内容的に関係がある訳ではなく、この辺りは諸星先生のあとがきに詳しいのでそれを参照のこと。

内容は相変わらず最高に面白い。何故ここまではずれがないのか。本当に不思議な漫画家だ。最早、漫画家の皮を被った作家という言い方のほうが正しいのかもしれない。

読後のこの感覚は一体何なのかと一生懸命考えてみた。色々考えてみた結果、これは「懐かしい」とか「郷愁」といった感覚なのではないかと思った。
諸星の物語は大抵、神話、昔話、童話などの形態を取っていることが多い。それを題材にしていることも多く、諸星はそういった物語に造詣が深いことが分かる。と言うことは、それは我々も子供の頃から慣れ親しんだ物語構成であり、故に懐かしく、郷愁を誘うのではないだろうか。

この人は漫画家ではなくなってきている。最早広い意味での作家だ。俺の中では安部公房なんかと同列にいたりもする。

おこがましいかもしれないが、諸星の作品に対する姿勢にもシンパシーを感じる。ものの見せ方、ものの語り方。どれもこれも素晴らしい。

相変わらず画がどんどん荒れていっているのも最高ではないか。昔は「味がある」だったが、現在は「味しかない」だ。アシスタントを使っていないんだろうな。でも最高。

小学校5年生の時に初めて出会ってから、20年以上。これからも新刊が出る度に買い続ける、素晴らしい作家だ。『西遊妖猿伝』も早くスタートさせて欲しい。

諸星大二郎の素晴らしい作品