2008年8月12日

崖の上のポニョ

poster-image.jpg本日は午前中の割引を利用して『崖の上のポニョ』を観て来た。

観終わって感じたこと。「こりゃホラー映画だ」

そもそもポニョの造形が薄気味悪すぎる。特に半漁人形態の時はどう見ても日野日出志のキャラクターみたいだ。波の上を走って追っかけてくるシーンなんて完全にホラーだ。

そして全体に漂う「死」のイメージ。黄泉感がたっぷり過ぎる。結局生きているのも死んでいるのも、ポニョの世界では同じで、シームレスに世界が一続きになっている。後半はその黄泉感が一層スパークして、『ひょっこりひょうたん島』みたいになっている。(『ひょっこりひょうたん島』は実は死後の世界だと作者の井上ひさしが語っている)あとは鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』あたりも思い出した。つまり世界観が現世なのか死後なのか、極めて曖昧だという感じなのだ。

いずれにせよ、この映画を観て俺は全く泣けなかった。そもそも感動作ではないしね。たとえ死人が出ようが、ハッピーエンドになろうが、この世界は黄泉なので最早何でもありなのだ。伏線を全然回収しなかったり、唐突な展開であってもポニョの世界だから許されるのだ。だから、感動なんてできない。何でも起こりうる訳だから。唯一その世界に意義を唱える婆さんがいるんだけど、別にそこについて何も語られるわけでもなく物語は終わる。

アニメーションとしてのクオリティはやはりすごかった。ウニョウニョとひたすら動く波、水生生物、どれをとっても薄気味悪く最高であった。海の表現などは題名が思い出せないんだけど、日本のすごい古いセロファンを使用したアニメーションを思い出した。

全体に漂う「和」かつ、「黄泉」な世界観。不思議に懐かしい感じがした。でも声優は相変わらず酷い。所ジョージとか本当、興ざめだった。山口智子はまあ悪くなかったなあ。